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理学療法・作業療法の研究向いているpython環境構築の方法【保存版】

 こんにちは。

近年では、動画を使った骨格推定技術の発展に伴い、臨床現場でもモーションキャプチャがない研究室でも動作分析ができるようになりました。

しかしながらそういった機械学
習の叡智の恩恵に預かるためにはある程度のプログラミング技術が必要になります。

習得難易度や拡張パッケージの有用性などを考えると、これから理学療法・作業療法研究でプログラミングを使うのであれば、python一択になると思います。

そこで今回は理学療法・作業療法の研究をより行いやすくするためのpythonの環境構築の方法について紹介していこうと思います。

理学療法・作業療法研究でのpython環境構築の方法



まずはじめにpythonのプログラミング環境を構築するためにはその管理ソフトウェアであるAnacondaを自身のパソコンに導入する必要があります。

私のプログラミング環境はWIndowsなので基本的にはWindows環境におけるpythonの環境構築がベースになります。

Anaconda は公式のホームページにアクセスしてインストーラを取得するところから始まります。

基本的にはインストーラーの指示に従って進めていけばよいです。結構Anacondaの容量が大きいので、自身のパソコンのストレージの容量については十分に注意しましょう。

Anaconda環境の構築を実際に行ってみる。

実際にAnacondaをインストールすることができたら次には実際にAnacondaを使ってpythonの環境を構築してみましょう。

Anacondaでの環境構築というと新しく自分の仮想環境を作るというのが主流なのですが、仮想環境を作るというのは割と序盤でビギナーの人だと面倒なので、仮想環境を作らずにデフォルトの環境を使って環境構築を行いましょう。

うまくAnacondaがインストールされていれば、スタート画面をクリックしてすべてのアプリを押すとAnaconda3という項目が生成されているはずです。

そこをクリックすると「Anaconda Prompt」というものがあるはずです。これをクリックすると真っ黒な画面な出現するはずです。いわゆるコマンドプロンプトと呼ばれるものになります。

この黒い画面は文字を打てるようになっており、実際にこの画面にいろいろとコマンドを打ち込んでいくことでpythonの機能を拡張していくことができます。これからは理学療法・作業療法の研究でよく使うpythonのパッケージを入れていきましょう。

理学療法・作業療法研究で必要なpythonパッケージ①:numpy

一番重要とも言っていいpythonパッケージは個人的にはnumpyだと思っています。理学療法・作業療法研究に携わっている方であればMATLABはよくご存知だと思います。

MATLABは非常に使いやすいプログラミング言語である一方で、有料であり他の人とコードを共有するとかといった部分に関しては課題があると感じています。

ざっくりいうとこのnumpyを入れてやると、pythonをMATLABとほぼほぼ同じように使用することができるというのが利点になります。

このパッケージを入れる場合には、先ほどのAnaconda Promptの画面に行き以下のコマンドを入れましょう。

コマンド:conda install numpy

これを入力してエンターキーを押すといろんな文字が出てきて、yかnを入力するように要求されると思いますが、ここでyを入力されることでインストールされます。あらかじめ入っている場合もありますが、その際にはこの表示は出ません。

理学療法・作業療法研究で必要なpythonパッケージ②:matplotlib

次に必要になるパッケージは、matplotlibです。このパッケージは主にグラフの描画に使うパッケージになります。このパッケージは自身のデータを折れ線グラフや棒グラフで表示できるだけではなく、関節位置の座標データからスティックピクチャを生成したりすることができるなど、用途は多岐にわたります。

従来のエクセルのグラフよりも自由度が高く、きれいなグラフを描画することができるので、自身の発表資料のレベルが一気に上がります。

必要なコマンドは以下の通りになります。
コマンド:conda install matplotlib

理学療法・作業療法研究で必要なpythonパッケージ③:scipy

numpyだけだと、細かいデータ解析処理をカバーできないがあります。その部分をカバーするためのパッケージがscipyになります。

具体的な例でいうと、データのノイズ処理によく使うローパスフィルタや、低周波成分の基線ズレなどを除去するトレンド除去、データのサンプリング周波数を変更するリサンプリング処理などがそれに該当します。

scipyを駆使することでこれらのデータ処理を作成することができます。

必要なコマンドは以下の通りになります。
コマンド:conda install scipy

理学療法・作業療法研究で必要なpythonパッケージ④:statsmodels

理学療法・作業療法研究をやっていると、統計解析をかける必要がある場面があります。通常だとRとかSPSSといった統計解析に特化したプログラミング言語やソフトウェアを使用することが想定されますが、簡単な統計解析だけならpythonの拡張パッケージで対応することが可能です。

ここで紹介するstatsmodelsはT検定や相関分析、平均二乗誤差、決定係数などを計算することができるので、簡単な比較研究であれば事足りるのでパッケージとして入れておくと便利です。

必要なコマンドは以下の通りになります。
コマンド:conda install statsmodels

理学療法・作業療法研究で必要なpythonパッケージ⑤:pandas

またこれはnumpyと似ているのですが、データ配列の処理とか抽出、並び替えとかにはこのpandasというのが便利です。

よく理学療法・作業療法の研究だとcsvファイルでデータを保管することが多いと思いますが、このpandasでは簡単にcsv ファイルを読み取って解析に使用することが可能になるので入れておいて損することはないでしょう。

必要なコマンドは以下の通りになります。
コマンド:conda install pandas

パッケージのインストールで可能性は無限大

今回は基礎的な必須級のパッケージだけの紹介でしたが、実はこれ以外にも使えるものはたくさんあります。動画データを扱うならopenCVというパッケージも必須ですし、画像データならpillow、骨格推定データを扱うならmediapipeなどがあります。

これ以降については、個人によって必要な環境は異なるので、自身の環境に応じて環境をカスタマイズしてみましょう。